'22 Europe Tour_Milan(2)
- tgm17wk
- 2022年6月11日
- 読了時間: 4分
欧州旅行、ミラノ2日目。メトロに乗り、郊外のホテルから市内のブレラ地区へ向かう。今日はミラノサローネ最終日。会場ではなく、市内のフォーリサローネ(サローネ会場(Salone del Mobile Milano)に対して「サローネの外」を表す言葉)を探索する1日に。ミラノ市内の美術館やギャラリー、邸宅やオフィス、倉庫など、あらゆる空間をブランドや企業がハックして展示する、という企画だけでもワクワクするもの。もちろん他の都市でも東京でも、類似するイベントは世界中にあるけども、規模・影響力で言えば文句なしにナンバーワンのイベントであるはず。

先ずは事前予約しておいた、Diorの会場へ。予約なしの長蛇の列を目の前に、開口一番に出鼻挫かれずに助かった。。

パラッツォチッテリオという歴史的建造物に入り、地下のインスタレーション空間へ案内される。

本展示用に特別に制作されたミス・ディオールチェアを、照明と音で織りなされるインスタレーションで引き立て、その美しさを魅せる演出。

Dior会場の外を出て、ブレア地区を散策。数メートル歩く度に何らかの作品・展示に出逢えるほど街にはアートとデザインが溢れていて、写真を撮る手が止まらず。1日では到底回りきれない、1週間は必要なボリューム。サローネ会場と同じく、見ることのできたごくごく一部の展示を載せておきます。


特にお気に入りだったのは、植物園で開催されていた、イタリアのデザイン誌INTERNIのインスタレーション。植物園をエネルギーパークに変えるというアイディアから、大量の銅管が自在に伸びており、銅管からは音が出たり霧が吹き出したり、まるで生き物かのような反応とエネルギーの動力を感じることができる。インタラクティブ性を持った持続可能エネルギーの在り方を問う、という主旨が面白い。


植物園を出て、散策は続く。前回のミラノ旅で訪れた教会も、エクステリアの展示空間に様変わりしていたりと、全く異なる表情を楽しめるのが面白い。


邸宅の中庭が、こんな美しい展示空間に様変わりするなんて。



Missoniの展示空間には、巨大なティディベアがどんと構える。サイケな非現実感。

エルメスの展示は期待通りに美しく、給水塔をモチーフとする木組みの構造物に障子のような薄ばりの膜を張った空間に、内部には様々なテキスタイルや小物が並ぶ。


それからメトロで移動し、ポルタ・ノーヴァと呼ばれる再開発エリアの中でも、「垂直の森」と表現されるボスコ・ヴァーティカルの佇むイゾラ地区へ。一度は目にしてみたかった。

どの角度から見ても美しいな、、都市空間の人間の暮らしと自然との共生というテーマで、CO2排出と大気汚染の解消とウェルビーイングな暮らしを実現する、高層マンションのモデルケースとして評価される。季節による植物の変化も楽しめる暮らし、どれほど心が満たされるだろうか。

イゾラ地区は、小さなギャラリー空間や倉庫を活用した展示が多く、より素材の手触り感やクラフトマンシップを感じられた。サステナブルな素材を折々集めた展示も、意外性が多くて楽しめた。


長く手をつけられていないような空きビルも展示会場として再生され、主役級の魅力を放っている。

そこからさらにメトロで揺られ、デザインプラットフォームであるALCOVAの展示へ。なんと、廃墟となった軍事病院を会場にしている。夜には訪れたくない鬱蒼感。。

複数の建物、各棟にも数十の部屋が並ぶので、なかなかの展示ボリューム。病院としての記憶を紡ぐような生命感のある作品(どこか不気味だけど・・)や、バイオマテリアルの可能性を追求する野心的・実験的な作品に興味を唆られる。




ALCOVAの目玉となるのは、天然石ブランドSolidNatureと、デザイナーSabine Marcelis、建築事務所OMAによるコラ
ボレーション展示。天然の剥き出しの美しさ、自然の荘厳さを感じさせるスケール。


屋外では食事を取れたり、寛げるベンチやスペースがあったり。廃墟に再び命が吹き込まれる様は、異様だけれども、美しくて惹かれる。

そこからさらに、初めて訪れるトルトーナ地区へ。歴史的製鉄所をリノベした複合施設、BASEに訪れてみたかった。

ここではIKEAの巨大な展示空間や、学術機関とアーティストなどのプラットフォームによる未来のデザインを考察するWE WILL DESIGNという展示など、様々なコンテンツが溢れる。残念ながら時間の都合でほぼ見ることができず、、
写真からは真昼のような日差しの強さを感じられるけど、18時頃、閉幕時間なのです。

トルトーナ地区は見所が多すぎて、BASEの周辺にもいくつもの屋外展示会場が広がっており、到底時間が足りなかったのでした。反省。でも、1日だけで廻るにはだいぶ頑張った方では・・。ここには載せなかったエリアもあり、1日で恐らく3万歩以上は歩いたかと思う。
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